- がん化することもある「大腸ポリープ」とは
- 大腸ポリープの原因はストレスも?
- 大腸ポリープの症状チェック
- 大腸ポリープの検査と診断
- 当院の日帰り大腸ポリープ切除
- 大腸ポリープ切除後の生活の注意点
- 大腸ポリープ切除後の食事
がん化することもある「大腸ポリープ」とは
大腸ポリープは粘膜にできたイボ状の膨らみを指し、ポリープという病気の名前ではありません。全ての大腸ポリープががん化するわけではなく、中にはがんになるポリープもあります。
大腸ポリープは、がん化する可能性がある「腫瘍性ポリープ」、がん化しないですが出血などが起こる「非腫瘍性ポリープ」に分けられます。腫瘍性ポリープの腺腫の場合、大腸がんに進行する恐れがあるので、見つけ次第小さくても切除するのが望ましいとされています。
非腫瘍ポリープの過形成ポリープは、今までがん化することはないと考えられてきましたが、過形成ポリープのサイズが大きかったり、上行結腸や横行結腸にできたりしたポリープは、がんになる可能性があることが分かってきました。
がん化を防ぐために、早めに検査を受けてポリープを発見したら切除することが重要になります。
大腸ポリープの原因はストレスも?
大腸ポリープは、高脂質な食品の食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、睡眠不足、運動不足、肥満、ストレス、タバコといった乱れた生活習慣が原因になるとされています。そのため、偏りのない食生活、睡眠時間を確保する、運動するといった生活習慣に改めることが必要です。
また大腸ポリープは、遺伝的要素も原因と言われ、家族の中に大腸がんを発症した人がいる方は、大腸がんを発症する可能性が高いことが分かっています。
大腸ポリープや大腸がんは、早めに発見して治療を開始すれば、予後は良くなる傾向にあります。40歳以上の方や大腸カメラ検査を受けたことがない方は、当院の大腸カメラ検査を受診することをお勧めいたします。自己判断で受けないのではなく、医師に相談してみましょう。
大腸ポリープができやすい人
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症を患っている方
- 飲酒する習慣がある方
- 50歳以上の方
- 大腸がん、大腸ポリープを発症した家族がいる方
- 高タンパク・高脂質の食事が多い方
- タバコを吸う方
上記に当てはまる場合、大腸ポリープができやすいです。
大腸ポリープの症状チェック
- 便潜血検査陽性
- 血便
- 腹部膨満感
- 下痢、腹痛
大腸ポリープの症状では、血便が最も多く現れます。なお、血便が出ない方も中にはいらっしゃいます。
小さい大腸ポリープの場合、目立った症状は現れないケースが多いです。
大腸ポリープの検査と診断
大腸ポリープや早期のがんは症状が現れないことが多いため、これらを早期に発見するために大腸カメラ検査や便潜血検査を受けることが大切です。
便潜血検査(2日法)は、血液が便に含まれていないかを調べる検査です。がんが原因で血液が含まれている場合、約80%の確率で陽性になります。がんを必ず発見できるわけではありませんが、健康診断などで積極的に実施されており、費用も安く容易に受けられる検査です。ただし、腺腫がある場合の検査の感度は10~50%程とされているため、便潜血検査で引っ掛からなかった方が大腸カメラ検査を受けると、早期のがんやポリープが見つかる場合も少なくありません。
大腸カメラ検査は、2年に1回定期的に受ける必要があります。もし、3年以上放置して検査を受けなかった場合、大腸がんが進む恐れがあるので注意しましょう。便潜血検査で陽性を指摘された方も、当院の大腸カメラ検査を一度お受けください。
大腸ポリープががんである確率は?
大腸ポリープは症状がほとんどなく、便検査のみでは判断できないので、大腸カメラ検査を受けて頂くことが必要です。
大腸ポリープは、直径が5mm以上になると5%強、20mm以上になると50%以上ががん化しているため、大腸カメラ検査で早めに見つけ出し、切除や治療を開始することでがん化を予防できます。大腸カメラ検査を定期的に受けておけば、ポリープを早期に発見し、切除できる可能性も高くなります。
ゆっくり進行した腺腫が長い期間かけて大きくなり、大腸がんを発症したとされる方が90%と考えられています。また、10mm以上あるポリープは、将来的にがんになる可能性が高いとも言われています。絨毛構造が25%ある「絨毛腺腫」や通常のポリープのつくりとは異なる構造の「高異型度腺腫」もがん化する可能性が高いと報告されています。
近年、大腸粘膜に異常がないにも関わらず、がんが発生した症例も確認され、転移や浸潤するのが早いことが分かっており、注意が必要です。
当院の日帰り大腸ポリープ切除
がん化の可能性がない、症状が現れていないポリープは、そのまま様子を見ていきます。一方、がん化する可能性が高い、血便などが伴っているポリープは、早めに内視鏡で切除します。早期にポリープを切除しておけば、がんの発症を防ぐことができます。
当院は、大腸ポリープ切除を日帰りで受けて頂けます。大腸カメラ検査の最中にポリープが見つかったらその場で速やかに切除することができ、他院で見つかった大腸ポリープの切除にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
ただし、ポリープのサイズが大きかった場合、連携している病院に移って頂く可能性もあります。
大腸ポリープの切除方法
内視鏡の先には、輪になった特殊な器具(スネア)が付いており、これをポリープにかけて切除します。
当院は、コールドポリペクトミー(スネアをポリープの根元にかけて切除する方法)、内視鏡的粘膜切除術(EMR)(平べったいポリープに生理食塩水を注入して浮かせて切除する方法)などを受けて頂けます。
大腸ポリープ切除後の生活の注意点
穿孔や出血などの合併症を起こさないために、日常生活で下記のような点に注意して頂きます。
- 1週間程度、消化しやすい食事をお召し上がりください。
- 1週間程度、車を長い時間運転したり、飛行機に乗ったりするのは避けましょう。
- 1週間程度、お腹を圧迫する行動、激しく動く運動(ゴルフ含む)は避けましょう。
- 出血予防のため、3日程度お薬を服用してください。
- 当日はシャワーで済ませてもらい、次の日から入浴が可能です。
- アルコールは、3日~1週間程お控えください。
大腸ポリープ切除後の食事
大腸ポリープ切除後、1週間は以下のように消化しやすい食べ物をお召し上がりください。
切除した当日や次の日に、脂質が多いものや辛い食べ物を食べるのはお控え頂きます。アルコールは、3日~1週間お控えください。
- 卵がゆ、おかゆ
- 白米
- おにぎり(海苔なし)
- 食パン
- 納豆、豆腐
- うどん、そうめん(薬味なし)
- 刺身、焼き魚、煮魚
- 海藻が入っていない味噌汁 など